- 騒音や無断駐車の連絡は、聞き取る項目と案内する内容がほぼ決まっているため、AI電話で一次対応を自動化しやすい業務です。
- AIが用件を聞き取って対応の流れを案内し、受付完了をSMSで知らせ、要約をメールで担当者に届けるところまで自動化できます。注意文の配布や車の所有者への対応など、その先は人が行います。
- 他の入居者の情報を答えないこと、身の危険がある連絡はすぐ担当者につなぐことなど、AIにさせないことを先に決めておくのが大切です。
賃貸管理会社に夜間・休日にかかってくる電話でよくあるのが「隣がうるさい」「駐車場に知らない車が止まっている」といった連絡です。どちらもその場で解決できることは少なく、管理会社は受け付けて、翌日以降に対応するのが基本です。
だからこそ、夜間の一次対応は「正しく聞き取り、入居者を安心させ、記録を残す」ことができれば十分です。この記事では、騒音と無断駐車の一次対応の流れを整理し、そのうちどこをAI電話とSMSで自動化できるかを説明します。
騒音・無断駐車の一次対応が自動化に向いている理由
- 聞き取る項目が決まっている:部屋番号、時間帯、音の種類、区画番号、車の特徴など、確認することがほぼ同じです。
- その場で解決しないことが多い:夜中に社員が駆けつけても、すぐに解決できるケースは多くありません。
- 同じ説明を何度もしている:「明日、注意文を配布します」「区画に張り紙をします」など、案内の内容がほぼ決まっています。
- 記録が後の対応に欠かせない:騒音が続いたときの注意文や、無断駐車が繰り返されたときの対応の根拠になります。
騒音クレームの一次対応の流れ
騒音の連絡を受けたときの、管理会社の一般的な対応の流れです。
| 段階 | 対応の内容 | 担当 |
|---|---|---|
| 1. 受付 | 連絡者の部屋番号、音が聞こえる時間帯・音の種類・どの方向から聞こえるかを聞き取る | AI |
| 2. 案内 | 今後の対応の流れを伝え、直接注意しに行かないようお願いする。通話中にSMSを送信する。 | AI+SMS |
| 3. 全体への注意 | まずは特定の部屋を名指しせず、全戸への一斉連絡で注意を呼びかける | AI |
| 4. 記録 | 受付内容を要約してメールで担当者に届ける | AI |
| 5. 個別の注意 | 改善しない場合、音の発生元と思われる部屋に個別に連絡する | 人 |
| 6. 継続対応 | 繰り返す場合は、文書での注意や、必要に応じて専門家への相談を検討する | 人 |
※ 全体への注意・個別の注意・継続対応の進め方は、管理会社や物件によって異なります。自社の手順に合わせて読み替えてください。
AI電話との会話の例(騒音)
お電話ありがとうございます。◯◯不動産管理の夜間受付です。AIがご用件をお伺いします。どのようなご用件でしょうか。
上の部屋がずっとうるさくて眠れないんです。
ご不便をおかけしております。確認のため、お住まいの建物名とお部屋番号を教えていただけますか。
グランコート本町の302です。
ありがとうございます。音はいつ頃から、どのような音が聞こえていますか。
夜11時くらいから、足音とドンドンという音です。ほぼ毎晩です。
承知しました。受け付けた内容は担当者に引き継ぎ、明日以降、建物全体への注意喚起から対応いたします。トラブルを防ぐため、直接のご注意はお控えください。受付完了のお知らせを、ただいまSMSでお送りしました。
※ 物件名は架空の例です。会話の流れやSMSの文面は、打ち合わせで目的に合わせて決め、デモで試していただけます。
無断駐車の一次対応の流れ
| 段階 | 対応の内容 | 担当 |
|---|---|---|
| 1. 受付 | 連絡者の部屋番号と契約区画、無断駐車されている区画番号、車の色・車種・ナンバー、いつから止まっているかを聞き取る | AI |
| 2. 案内 | 今後の対応と、当日の代わりの駐車場所(決まっている場合)を電話の中で伝える。通話中に、受付完了をSMSで送る | AI+SMS |
| 3. 記録 | 受付内容を要約してメールで担当者に届ける | AI |
| 4. 現地確認・警告 | 現地で確認し、車に警告文を掲示する | 人 |
| 5. 継続対応 | 繰り返す場合や長期間放置されている場合は、警察や弁護士への相談を検討する | 人 |
管理会社が自分で車を動かすのは避けましょう。無断駐車の車であっても、所有者の同意なくレッカー移動したり、タイヤをロックしたりすると、管理会社側が損害賠償を求められるおそれがあります。AIの案内でも「こちらで車を移動します」とは伝えないようにします。
電話の中の案内と、SMSのお知らせの分け方
用件ごとの詳しい案内は、AIが電話の中で伝えます。通話中に、受け付けたことと緊急時の連絡先をSMSでお送りします。入居者は電話を切ったあとも見返せるので、「ちゃんと伝わったのか」という不安を減らせます。
お電話ありがとうございます。
ご連絡の内容を受け付け、担当者に引き継ぎました。
翌営業日以降に担当者よりご連絡いたします。
※火災・漏水など緊急の場合は 0X-XXXX-XXXX へお電話ください。
※このSMSには返信できません。
| 電話の中でAIが伝えること | SMSでお知らせすること |
|---|---|
| 騒音:建物全体への注意喚起から対応すること、直接の注意は控えてほしいこと 無断駐車:現地を確認して警告文を掲示すること、当日の代わりの駐車場所、自分で張り紙をしないでほしいこと | ご連絡を受け付けたこと 担当者から連絡すること 緊急時の連絡先 |
SMSの文面を作るときのポイント
- どの用件にも合う文面にする:騒音にも駐車にも設備の故障にも送られるので、用件を決めつけない書き方にします。
- 次に何が起きるかを書く:「担当者から連絡する」ことがわかると、入居者は安心します。
- 緊急時の連絡先を必ず入れる:騒音の連絡の中に、緊急の事態が混じることがあります。
- 返信できないことを書く:返信で追加の連絡をされても届かないため、その旨を書いておきます。
AIにさせないことを先に決める
騒音や駐車のトラブルは、入居者どうしの関係が悪くなりやすい用件です。AIが良かれと思って答えた一言が、トラブルを大きくすることもあります。導入前に、AIにさせないことを決めておきましょう。
| AIにさせないこと | 代わりにどうするか |
|---|---|
| 音の発生元と思われる部屋の番号や名前を伝える | 「対象のお部屋については、お答えできません」と答える |
| 直接注意しに行くよう勧める | 直接の注意は控えるようお願いする |
| 「必ずやめさせます」「すぐ移動させます」と約束する | 管理会社が行う対応の流れだけを伝える |
| 違法かどうか、損害賠償できるかなどの法的な判断をする | 担当者から改めて連絡すると伝える |
| 身の危険がある連絡(怒鳴り込まれている、など)をそのまま受け付ける | 内容を聞き取り、担当者へすぐつなぐ |
人に引き継ぐタイミング
すべての騒音・駐車の連絡をAIだけで終わらせるわけではありません。次のような場合は、AIが担当者へ転送するか、要約メールで担当者に報告します。
- 入居者どうしが言い争っている、身の危険を感じているなど、緊急性が高い
- 入居者が「何度も続いている」「前にも連絡した」と話している
- 騒音の内容が、悲鳴や物が壊れる音など、事件や事故の可能性を含む
- 入居者が強く担当者との会話を希望している
記録を残すと、2回目以降の対応が速くなる
AI電話で受け付けた内容は、すべて同じ形式の要約でメールに届きます。物件名、部屋番号、用件、時間帯がそろっているため、メールを見返せば次のようなことがすぐにわかります。
- 同じ建物で、同じ時間帯の騒音の連絡が何件あるか
- 同じナンバーの車が、過去にも無断駐車をしていないか
- 全体への注意のあとに、連絡が減ったかどうか
担当者ごとのメモに頼らず、誰が見ても同じ情報で対応を進められるようになります。
導入前に決めておく5つのこと
- 騒音・無断駐車それぞれで、AIが聞き取る項目
- 電話の中でAIが伝える案内と、SMSで送るお知らせの文面
- AIにさせないこと(他の入居者の情報、約束、法的な判断など)
- 担当者に転送する条件と、転送先の順番
- 翌朝、記録を誰がどのように確認するか
GRITYでは、導入時にこれらを管理会社の方と一緒に決め、AIの話し方やルール(プロンプト)として設計します。
まとめ
- 騒音や無断駐車の一次対応は、聞き取りと案内の内容が決まっているため、AI電話で自動化しやすい業務です。
- AIが受付・電話の中での案内・SMSでの受付連絡・メールでの報告までを行い、注意文の配布や現地確認などは人が行う、という分担が現実的です。
- 他の入居者の情報を答えない、約束をしない、身の危険がある連絡はすぐ担当者につなぐなど、AIにさせないことを先に決めておきましょう。
騒音・駐車の連絡から、AIに任せてみませんか。
GRITYは、全国の賃貸管理会社向けにAIコールセンターを構築・運営しています。今契約しているコールセンターと併用し、騒音・駐車の連絡だけをAIに任せることもできます。全国どこでも、訪問での打ち合わせに伺います。伺ったお話をもとに目的に合わせたデモをお作りし、実際に電話をかけて試していただけます。
